関節リウマチの父親が介護付き老人ホームに入居するまでの体験記

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7月始めに叔父から電話

こんにちは 久々の更新になります

コロナで帰省もできず一年半以上連絡を取っていなかった父親が要介護状態になった顛末を記したいと思います。

私は現在52歳ですが、私と同年代の人だと親が高齢で今後の介護が不安という方も少なくないでしょう。

そういった方に少しでもお役に立てるかもしれないと思い私のこの数ヶ月の経験を記事にすることにしました

7月の初めの夜に見慣れない電話番号から携帯に電話がかかってきました

この時既になんか嫌な感じがしたんですよねぇ

イヤな予感というのは結構当たるものです

電話に出ると、8年前の母親の葬式以来、全く連絡を取っていなかった父方の叔父(父親の弟)からでした

私の父親が実家で体調を崩し、近所のケアサポート施設に数日前から入居しているとのこと

手足が思うように動かない状態で自立して生活できず、車椅子で生活しているとのことでした

7/15に大学附属病院で診察を受けて今後の治療方針を決めていくとのことでした

私はこの連絡を受けて心底びっくりしました。

一年半前に帰省した時には足腰はしっかりしていました。趣味の山登りやハイキングも仲間と定期的に行っていましたしね。

大きな声で話しかけないと聞き取れない状態にはなっていたので耳が遠くなったなぁとは思いましたが、一人で自立して生活するには全く問題なかったのです。

ケアサポート施設入居時に世話をしたケアマネージャー、ケアサポート施設の担当職員の連絡先を叔父から聞いて電話を切りました。

私の父親もとうとう介護が必要な体になってしまったのかと大きなショックを受けました。

父親はまだ79歳で当分介護とは縁はないだろうと鷹を括っていたのです。

母は8年前に他界していたので父が要介護になったら介護施設に入るか、私が介護するしかありません。

私は関西に住んで仕事をしているので、神奈川県に住んでいる父親の介護はとてもできません。

介護施設に入居となるとお金がかかるのだろうなと漠然とした不安が頭をよぎりました。

入院〜退院まで

直ぐに職場の上司に父親の状況を話して、7/15、7/16に休暇を取って、神奈川県にある大学病院に向かいました

大学病院に到着して、一年半ぶりに見た父親は完全に変わり果てた姿でした

車椅子に窮屈そうに座り、両手が浮腫んでいてすっかり弱々しくなっていました。

耳も更に遠くなっていて耳の側で大声を出さないとコミュニケーションが取れません。

血液リウマチ内科を受診し、様々な検査を行いました。医師の診断では関節リウマチの可能性が非常に高いとのこと。状態がかなり悪いので、明日から入院して治療をしたほうが良いとの結論になりました。

ケアマネージャー、病院のソーシャルワーカーと父親の今後について話し合いました。ソーシャルワーカーからは入院して治療しても父親の症状が良くなる保証は何もないので、介護付きの老人ホームを直ぐに探して入居手続きを準備した方が良いと言われました。

翌日の入院手続き立会いのため、この日は大学病院近くのホテルに宿泊しました。

翌日の朝、大学病院玄関でケアマネージャーと父親と待ち合わせ、病院受付で入院手続きを行いました。

この時は神奈川県も感染爆発の真っ只中で病院スタッフも大忙しで通常業務が全く回っていませんでした。

結局、父親の入院手続きが完了するまで2時間以上待機させられてすっかり疲れ果ててしまいました。父親も今後の不安や長時間待機の疲労があったのでしょう。待機時間中、父親とは殆ど口を聞きませんでした。会話をする気力が無かったとも言えます。

私は大学病院を出ると新横浜駅に向かい、新大阪行きの新幹線で神奈川県を後にしました。病院を出た後に実家に寄ることも考えましたが私もそんな気力は全く無かったのです。とにかく、関西の自宅に早く帰りたい一心だったと思います。

介護施設を見つけるまでの紆余曲折

介護施設を見つけるのも一筋縄では行きませんでした。

介護施設に入るためには、介護保険制度を利用しなければならないので、介護認定を受ける必要があります。これは要介護の人やその家族が役所で申請しなければなりません。

私の父の場合、自宅近くのケアサポート施設に滞在している7月上旬に介護認定を受けました。その結果が出るまでに1ヶ月ほどかかります。

本来ならば介護認定結果が出た後に、介護施設を探す必要があるのですが、1ヶ月もぼーっとしているわけにもいきません。ケアマネージャーの見立てでは要介護度1以上には認定されるはずだから、要介護度1で入居できる施設を中心に探しましたが、エリアや費用を考えるとなかなか希望通りの施設が見つからないのです。

エリアも費用もクリアする施設は人気も高いので空きが無いのです。空きがあっても入居待ちの人が数人いるのが普通ですぐに入居できる施設はほとんどないのです。

そうこうしているうちにすぐに1ヶ月が経って父の介護認定が判定されました。区分は要支援2でした。要支援2という区分は要介護よりも介護度が低い区分なので介護保険制度や施設選びでも著しく不利になります。

それまで目星をつけていた施設は要介護度1以上でないと入居できないのです。

入院している大学病院の医療福祉相談室の助けを借りて要支援2でも入居できる施設を探してもらいましたが、実家のエリアで空きがあるところは高額な入居料が必要だったり、月額使用料が年金額を大幅にオーバーするのでとても手が出ません。

ケアマネージャーの知り合いに優秀な施設入居相談員がいるとのことなので、その人を紹介してもらい要支援2で入居できる施設を探してもらいましたが、やはり、実家近くでは高額な施設が多く、エリアを広げるしかないとの回答でした。

エリアを広げて探してくださいとお願いすると、実家から車で1時間〜1時間半くらいの場所に良い施設があるとのことなので、その施設入居相談員と施設の見学に行きました。施設も綺麗で部屋も広く、その割には月額使用料もリーズナブルで父の年金額+αで収まります。

ただ、施設が実家から離れているので父が入居に難色を示すことは容易に想像できました。ケアマネージャーからその施設入居を父に勧めてもらい、なんとか父に納得してもらいました。たまたま父がケアマネージャーを信頼していたので渋々了承したようです。

父が入居したのは介護の世界では大手のニチイケアセンターの介護付き老人ホームでした。

叔父の暗躍

何とか、実家から離れた介護施設に入居してもらうことを父親に納得してもらいましたが、これは表面上の納得だったことがすぐに分かりました。

父親が父親の弟(私の叔父)に頼んで実家に近い施設を探しているようだと、入院している病院の医療福祉相談室スタッフが私に教えてくれました。

要は、私に内緒で裏でこそこそと父と叔父が介護施設を探しているのです。これには私も本当に頭にきました。既に父は渋々とはいえ、実家から離れた施設に入居することを同意しているのです。私も施設入居に向けて施設との契約や銀行との折衝などやることが山のようにあります。

誰がどう見ても父親と叔父のしている行為は私に対してあまりにも失礼でしょう。

このことが明らかになって以来、叔父の携帯番号を着信拒否設定にしたのは言うまでもありません。叔父とは永遠に会うことはないでしょう。私からの事実上の絶縁宣言です。

銀行との折衝

介護付き老人ホームを利用するためには、父の銀行口座から月々の利用料、往診医療費、往診薬剤指導料などを引き落とす手続きをしなければなりません。

言葉にすると簡単なように聞こえますが、私の口座ではなく父の口座からの引き落としなので手続きは非常に面倒です。

まずは銀行担当者が父から口頭で銀行口座からの引き落としの許可を確認しなければなりません。父は入院中なので電話で銀行担当者と話すことになったのですが、父は難聴で電話越しではうまくコミュニケーションが出来ません。病院の医療福祉相談室スタッフの助けを借りて何とか父と銀行担当者の間で話がまとまりましたが、長時間を要しました。

この後は、私が父の銀行口座(三菱UFJ銀行)のある支店に出向いて、銀行担当者と対面での手続きが必要になります。通帳と届出印、私の身分証明書、父の身分証明書が必要でした。

このとき、父の口座の私用のキャッシュカードの発行もお願いしたのですが、それは別途、父の同意がいるのと、受け取り時は父の実家に居なければならないので、関西で仕事をしている私にはとても対応できません。

三菱UFJ銀行の場合、通帳と届出印があれば100万円までならば全国の支店で預金は下ろせるそうですが、窓口で現金を下ろすのはかなり待たされますし、勤め人にとっては非常に面倒なのはいうまでもありません。

介護というのは終わりのない戦いです。急な現金出費を伴うこともあるでしょう。そのようなときに父の口座から直ぐに現金をおろせないのは本当に大変なのですよ。

三菱UFJ銀行の対応はお役所的で融通が効かないのだなぁと、心底呆れました。

私のように困っている人も全国にたくさん居ることでしょう。

金融庁もお役所的な対応しかできないメガバンクには厳しく指導して欲しいものですね!

まとめ

父親が介護付き老人ホームに入居するまでの顛末を記しました

大きな流れとしては以下の通りです

1 父親が体調を悪化させ、近所のケアサポート施設にショートステイ→介護認定申請

2 大学病院で診察→入院→リハビリ病院に転院→入院中に介護度が要支援2と確定

3 父親が入院している間、介護施設探し、介護施設との契約、銀行との折衝

4 父親の退院→施設入居

とにかく介護というのは初めての経験なので右も左もわからない状態でさまざまな判断や決断をタイムリーにしていかなければなりません。これは本当に大変でした。仕事と違って無償労働(ボランティア)なので通常の仕事よりも精神的には堪えますよ。

私の経験から言えることは、介護というのは頑張っても報われることはありませんし、徒労に終わることが殆どです。極力手を抜くことをお勧めしたいですね。お金に余裕がある人は介護を家族に代わってサービスする民間の代行業者があるのでそれを利用するのが良いと思います。お金はかかりますが自分の時間や精神を削られずに済みますからね。

とにかく介護はカネがかかりますしメンタルも削られます

この記事では書ききれない事もたくさんありましたが、それらはまたの機会に記事にしたいと思います。