いきなり結論から書かせてもらいますけど、積み立てNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)は利用した方が良いと思ってます
私はネット証券最大手のSBI証券で積み立てNISAもiDeCoも加入して利用しています
少なくとも、生命保険会社の個人年金を利用するよりは遥かに良いと思っています
私は以前、日本生命の個人年金に加入していましたが迷った末に解約しました。
iDeCoや積み立てNISAよりも節税効果が低いし、大きな運用益を得ることも出来ないからです
私は積み立てNISAもiDeCoも運用していますが、この2つの金融商品は色々と制度に問題があり手放しで勧められる制度ではありません。
利用するならデメリットをしっかりと理解してから利用した方が良いと思います。
国が積み立てNISAやiDeCoの普及を促しているのは言うまでもなく年金制度が立ち行かなくなってきているからです。
完全に年金支給がゼロになること(年金破綻)はないかもしれませんが、受給額減少や支給年齢アップなどは避けられない状況です。
今は原則65才から受給が始まりますが国は受給開始年齢をさらに上げる動きを匂わせています。
今でさえ65才前に死んだら国に寄付するだけで払い損ですから、受給年齢が上がれば更に払い損になる人が大幅に増えていくのは間違いありません。
私の感覚では受給開始が70才になったら完全に年金制度は国家詐欺だと思いますよ。
数年間だけなけなしの年金を受け取りだけで死んでいく人もたくさんいるでしょうからね。
長生きしなければ元は取れないやらずぶったくりの制度といっていいと思いますよ。
年金制度がこのように心もとない状況なので、我々国民も投資に関心が出てくるのは自然な流れですね。
NISAもiDeCoも制度が複雑で私も全貌を理解しているわけではありませんが、私が知っている限りのそれぞれの長所と短所を書いていきたいと思います。
最近購入して読みましたが分かりやすかったです
iDeCO(個人型確定拠出年金)
長所
掛け金は全額所得控除
サラリーマンの場合、毎月5000円から23000円積み立てることができます
自営業者の場合は年毎月5000円から68000円積み立てできます
この積立額全てを所得から引くことが出来るわけです
所得を見かけ上少なくすることが出来るわけですから所得税や住民税も当然安くなります
例えば、課税所得が195万円〜330万円の場合を見てみましょう
毎月5000円積み立てる場合、住民税、所得税の軽減額は12000円
毎月23000円積み立てる場合、住民税、所得税の軽減額は52000円
毎月68000円積み立てる場合、住民税、所得税の軽減額は163200円
私は毎月23000円積み立てているので10年加入すれば50万円以上、20年加入で100万円以上の節税効果があるんですよ
これだけ節税効果が大きければiDeCoに加入しない理由がないとも思えますね
私が以前加入していた生命保険会社の個人年金は最大でも40000円しか控除することができません
派遣社員の私の場合、iDeCoは年間納入額約27万円を丸々控除できるので雲泥の差があります
iDeCoが使える人は生命保険の個人年金を節税目的で利用する価値は全くないです
私もiDeCoを始めてからは馬鹿馬鹿しくなって生保の個人年金は解約しました
解約事に違約金を取られましたが、個人年金で積み立てていた現金もネット証券口座で運用始めたので長期的には元は取れると思っています
運用利益は非課税
証券会社の口座だと運用益の2割は税金で持っていかれるので大きな節税効果があります
ただ、あくまで運用益が出た場合のみです。
運用している金融商品が元本割れしたら非課税メリットはありません。
受け取り始める年齢を自由に選べる
60歳から75歳まで選ぶことができます
以前は60歳から70歳まででしたが2022年の4月から75歳まで拡大されました
高齢期の自分の資産状況によって選べるのでこれは良いと思いますよ
60歳の時に株式市場が低迷していて株価が低い場合、最長で15年間寝かせられることになります
時間を味方に付けて積み立てた株式資産を増やせる可能性があるということです
受け取るときの課税優遇措置がある
受け取るときも税金の優遇を受けることができます
一時金としてまとめて受け取るか、年金として分割して受け取るかを選べます
一時金の場合は退職金所得控除、年金の場合は、公的年金等控除を課税優遇措置として使えます
ただ、大手企業に勤めていて退職金を多くもらえる人の場合は、退職金とiDeCoを同時に受け取る場合、かなりの所得税、住民税を取られる可能性があるので注意が必要です
元本保証のある現金や保険が選べる
これは結構大きなメリットだと思います。
投資信託だといくら長期運用しても株価の暴落タイミング次第では損失を出すことになりますから
とにかく元本割れリスクを避けたい人にはお得な制度といえるでしょう。
資産スイッチング(預け替え)が簡単
運用している金融商品はいつでも自由に変更(自由に売買)できます。
最初は株式だけで運用しても年齢と共に暴落リスクを下げるために債券や現金を混ぜたくなる人も数なくないと思います。
株式の一部を売却して債券を購入することなどが簡単にできます。
後述する積立NISAではこれができません。
2022年5月の法改正で年齢制限が撤廃
以前は60歳未満の国民健康保険被保険者が加入の条件でした
今年の5月以降は65歳未満の国民健康保険被保険者が全員加入できるようになります
定年延長して会社員を65歳まで継続すればそのまま利用を継続できます
自営業者や専業主婦は60歳以降は国民年金保険に任意加入すればiDeCoを利用できます
また海外居住している国民年金保険の任意加入者もiDeCoを65歳まで利用できるようになりました
短所
iDeCoは精度が複雑なので全体像を掴みにくいのが大きな短所と言えますね
受け取り事に課税される
一時金として一括して受け取るか、年金として分割して受け取るか、どちらかを選びます
ただ、どちらにしても課税対象になるのはiDeCoの大きな欠点と言えるでしょうね
一時金の場合は退職金所得、年金の場合は雑所得として課税対象になります
ただ、受取額全額に課税されるわけではなく、一定額までは税金がかからない優遇措置はあります
まあ、公的年金からも住民税、健康保険料、介護保険料は引かれるので、iDeCoに課税されるのも当たり前と言う人もいるかもしれません
ただ、公的年金の不足分を補う制度に課税するのはやはり制度として問題があると思っています
受け取り手数料を徴収される
受け取るたびに四百円の手数料を徴収されます
年金として受け取る人は注意が必要ですね
毎月受け取るのは損ですよね
自分の資産状況に合わせて数ヶ月おきにするのか毎年一回にするのかなどを検討しないといけません
iDeCoはとにかく制度を利用してお金をとってやろう!と言う謎の意思を感じます
私がiDeCoをあまり好きになれないのはこのようなところです
いろんな人の利権を調整してこのような複雑な制度になったんでしょうね
60歳まで引き出せない
60才になるまで引き出すことはできません。
年金だから仕方ないと思っている人も多いかもしれませんが、私はおかしいと思います。
国民年金や厚生年金ならわかりますが何で加入者が各自のリスクで運用している資産なのに自由に引き出せないの?かと疑問に思います
人生では突然お金が必要になることだって運が悪ければあるでしょう。
急にお金が必要になったとき自由に引き出せないのは非常に大きなデメリットです。
加入手続きが面倒
iDeCOに加入している人なら分かると思いますがとにかく加入手続きが面倒です。
勤め先にも報告して資料を準備してもらわないといけないし自分で書く書類もたくさん揃えなければならない。
その上、申請してから運用が始まるまで非常に時間がかかります。
私はSBI証券で加入しましたが3ヶ月以上待たされました。
様々な手数料がかかる
以下の3つの費用がかかります
公的機関、信託銀行に払う費用
国民年金基金連合会に支払う加入手数料 2829円
積み立て月額費用 国民年金基金連合会に105円、
資産管理手数料 信託銀行に62〜66円
毎年2000円くらいの費用が引かれていきます。
運営会社(証券会社、銀行)による運営管理手数料
運営会社によって大きく異なります:毎月0円〜5016円
私が加入しているSBI証券は運用額が50万円以上になったら無料です。
ネット証券以外の店舗証券や銀行は手数料が高いので絶対にやめるべき。
iDeCo運用するならSBI証券や楽天証券などのネット証券一択です。
金融商品の手数料
これは信託報酬の安いインデックスファンドを選んで運用するのが賢いです。
私はDCニッセイ外国株式インデックを主にして運用(信託報酬:0.15%)してます。
転職や失業等で手続きが煩雑で面倒くさい
私は以前勤めていた企業は厚生年金基金制度がありました
ところが企業経営が不振になり始めて様々な福利厚生が削られ始めました
厚生年金基金制度が廃止されて、全従業員が企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入させられたのです
これが私の確定拠出年金を利用し始めた経緯です
しかし、その会社をリストラされて運用していた確定拠出年金は現金化されて国民年金基金連合会に渡りました。
私は二年ほどその状態で放置していたのですが、その間も資産管理手数料は引かれていきます。
確定拠出年金は一旦運用始めたら逃げられないシステムになっているんです。
何も運用せずに手数料だけ引かれるなんて馬鹿馬鹿しいじゃないですか?
だから再度、派遣社員として個人型の確定拠出年金(iDeCo)に加入せざるを得ませんでした。
国民年金基金連合会に渡ったお金をまた再度iDeCoで運用する手続きも面倒くさい。
派遣会社を通してiDeCoの加入手続きをしなければならなかったのです。
私はSBI証券でiDeCoを申し込みましたが、申し込む際、会社員(派遣社員含む)や公務員は、事業主(私の場合は派遣元)の証明書が必要でした。
これも、派遣元に書類の作成依頼をしないといけないので地味に面倒くさいんですよ。
転職した場合も転職先で企業型DCに統合する場合も手続きが必要ですし移管手数料(4400円)を取られます。
積立NISA(少額投資非課税制度)
一言でいうと、とにかく色々な制約が多いがんじがらめの制度です。この記事を書いているうちに積立NISAを解約したくなってきました(笑)。
長所
運用益が非課税
普通の投資信託だと運用益に20%課税されてしまうけどこれはいいですね。
運用益が大きくなると20%は非常に大きいので魅力的ですね。
積立期間が長い
20年間積立投資ができるので途中でリーマンショックのような株価暴落する時期があっても時間を味方にして株価が復活させることが可能です。
時間を味方につけて元本割れリスクを少なくできると言えます。
手続きが簡単
iDeCoのような面倒な手続きはありません。比較的簡単にネット証券で口座を作れます。
ただ申し込んでから手続き完了までは税務署を通すため時間は結構かかります。
いつでも解約できる
急にまとまったお金が必要になった時など積立を解約、売却して現金化することはいつでもできます。
ただし、売却したらその枠はもう使えません。
積立金額の変更はいつでもできる
例えば、収入が減って積立額を減らしたい場合は積立額を自由に変更できます。
短所
元本割れした場合、普通の証券口座より損をする
20年たったら元本割れしていてもNISA講座を解約して現金化するか、普通の証券口座に移さないといけません。
その証券口座で元本まで値上がりすると今度は運用益が出たとみなされて20%の税金を引かれます。これは非常に馬鹿馬鹿しいですね。
普通の投資信託だと値下がりしても元本に戻るまで塩漬けできますけど積立NISAではそれができないですね。
積立NISAでは普通の証券口座では払う必要のない税金を払わなければならない可能性があるということです。
これは非常に大きな欠点です。
資産スイッチング(預け替え)ができない
最初はリスクの高い投資信託だけで運用してたけど、積み立てた投資信託を別のリスクの低い投資信託に変更したいと思う人も多いはずですが積立NISAではできません。
投資信託を変更したい場合は売却しなければなりません。
ちなみに売却してしまったら、その枠は使えません。
積立NISAは毎年最大40万*20年=800万円を最大運用できますが、売却したら最大運用額が減ってしまうということです。
他の口座と損益通算できない
利益がでた場合は非課税のメリットを受けれますが、損失を出した場合が問題で、一般口座や特定口座との損益通算して損益を減らすことができません。
これは非常に大きなデメリットと思います。
投資なのでいかに二十年の投資といえど損失を出す可能性はあります。
損失を出したら特定口座や普通口座の投資信託よりも損をすることを覚えていた方がいいでしょう。
購入できる金融商品が限られる
原則、株式、株式を含むバランス型投資信託、ETF(上場投資信託)しか購入できません。
個別株やリート(不動産投資信託)、債券などの金融商品は購入できません。
iDeCoと違って元本保証商品である預金や保険もありません。
日本国内居住者のみが対象
海外の企業に転職したり、海外支社に転勤になったら利用できません。
その時は一度廃止することになります。日本に戻った時に再開設は可能です。
まとめ
iDeCoと積み立てNISA、私は両方利用した方が良いと思ってます
ともに節税効果があり、大きく資産を増やせる可能性があるわけですから
iDeCoと積み立てNISAの制度があるのに、利子の全く付かない銀行預金や、節税効果が低い生保の個人年金制度を利用するのは勿体ないと思います
ただ、色々な問題点があることも確かなのでそれは利用する前に知っておくべきでしょうね
○積み立てNISAの短所
→元本割れした場合は普通の証券口座で運用するよりも損をする可能性が高い
→iDeCoのように住民税や所得税が減税される制度ではないので元本割れしたらメリットなし
○iDeCoの短所
→60歳まで引き出せないので急にお金が必要になった場合でも利用できない
私は欠点を知りつつも積み立てNISAとiDeCoともに利用しています
特に積み立てNISAは相場によっては損するかもしれませんがそれはそれで仕方ないと割り切っています
株式投資には儲けるリスクもあるけど損するリスクもあるのです
損するのが嫌で銀行預金しかしない人もいると思いますが、銀行預金はインフレリスクに対応できないことは覚えておいた方がいいと思います
生保の個人年金も加入したときの利率が保証されているわけではないし、その利率も低いです
銀行預金も大損するリスクがあるし、生保の個人年金も様々な問題があるのです
iDeCoも積み立てNISAも制度が結構複雑なので本で勉強した方が良いと思います
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