昨年、数ヶ月に渡って父親の遠距離介護を経験しました
その時の体験から、親が元気なうちにやっていた方が良いことが見えてきたので、それをこれから説明します
親の介護は突然にやってくる
私の父親は79歳で今年の7月に関節リウマチという病気になり自立して生活できない体になりました
近所の民生委員を介して地域包括支援センターからケアマネージャーを紹介して貰いました
ケアマネージャーと父親の兄弟の協力で実家の近所のデイケアサービスを利用していました
これらは私の知らない間に行われていました
私は父親とはあまり仲が良くないので日頃から連絡を取るようなことは全くしていませんでした
それでもコロナ禍前までは半年に一回は帰省していましたが、今回のコロナ禍で一年半の間、全く帰省できなかったのです
だから、近所のデイケアに入ったことを父親の兄弟から連絡を受けた時は心底驚いたものです
一年半前に帰省した時は、耳が遠くなってはいましたけど、足腰の強さは全く問題なかったのです
まさか、関節リウマチを患って車椅子生活になっていようとは夢にも思いませんでした
幸い、入院中の薬物投与治療(ステロイド)とリハビリがうまくいって自立して生活できるレベルまで現在は回復はしました
ただ、現在でも指の痺れは残っていて車の運転や自炊は困難な状況です
現在も毎日薬を服用することが必要な状況ですから、今後はまたリウマチの状況が悪化する可能性もありますからね
自家用車は私に譲ると父は言ってきたので私に譲ってもらい私は車の売却手続きをしました
私は車が不要な生活をしているので車を譲ってもらっても駐車場代や車検代などの維持費がかかるだけでメリットはありません
ただ、20年以上乗った車でしたから、今は亡き母との買い物やドライブなどにもよく使いました
色々な思い出が詰まっている車でしたから、ディーラーで売却をした時は複雑な思いになりましたね
【親の遠距離介護】親が元気なうちにやるべき事6選
1:年金額、預貯金額、実家の不動産評価額を把握する
親が元気なうちに年金額、預貯金額、実家の不動産価格は把握することは絶対に必要です
親の資産額を把握するだけでなく、介護に使えるお金を計算することができないからです
まだ、介護を行っていない人にはピンとこないと思いますが、介護には想像以上にお金がかかります
また、介護施設によっては、入居審査前に年金額、預貯金額、保有不動産額、株式総額を詳しく聞いてくる施設もあります
親の資産状況を把握していないと介護施設に入居することすらできないこともあるのです
2:定期預金は解約させる
定期預金はいざという時に直ぐに使えないので、解約させておいた方が無難です
定期預金解約は資産の持ち主である親しかできません
親が病に倒れて入院してしまったら原則、解約できないと思っていいです
正確に言えば解約できないことはないのですが銀行担当者と入院先の病院との連携が必要になり大変に面倒な作業が必要です
現役で忙しく働いている子供がこの対応をするのは相当のストレスになります
親が高齢になったら定期預金は解約させることをお勧めします
日本のように銀行金利が低い国で定期預金をするのは資産の流動性が無くなるだけで何のメリットもないのです
親が解約に対して難色を示した場合は注意が必要です
親に認知機能が無くなったり、寝たきりになってしまった場合、定期預金の解約は大変面倒になります
3:銀行通帳と印鑑を正確に紐付けさせる
親御さんがしっかりと管理しているなら問題ありませんが、私の父親は通帳と印鑑を正確に紐づけていませんでした
通帳と印鑑が複数あったので父親自身、正確に把握できていなかったのです
そのため、実家にある全ての印鑑と預金通帳を銀行に持って行って通帳と印鑑を紐付けることが必要でした
私の父親は通帳と印鑑の一部を持参して入院したので、私が入院先まで出向いて印鑑と通帳を取りに行かなければならずとにかく面倒でした
できれば親が元気なうちに通帳と印鑑をしっかり紐づけさせておくことです
そうしないと親が病に倒れた場合、私のように面倒な作業をすることになります
4:代理キャッシュカードを作らせる
当たり前ですが、親の銀行預金は子供でも勝手に引き出せません
だから、親が元気なうちに代理キャッシュカードを作らせた方がいいです
代理キャッシュカードを事前に準備していない場合、親の口座からお金を引き出す手続きがとにかく面倒くさいんですよ
この手続きをしない場合、介護の費用などを子供や兄弟が延々と立て替え続けることになりかねません
私の場合、父親がキャッシュカードと印鑑を家から持ち出して入院してしまったので余計に手続きが面倒でした
通帳と印鑑と私の身分証明書を持って銀行窓口で父親の口座からお金を下ろす手続きをしなければならないからです
その際は、銀行担当者が私の父親に直接電話をして長男である私がお金を口座から下ろして良いか確認をする必要がありました
父親は耳が遠くなっているのと、若干認知症の気配があって、この銀行担当者との電話口での会話がスムーズに進まなくて何度もやり直しをする羽目になったのです
このような面倒な手続きをすることで、通帳と印鑑があれば全国の銀行で私が父親の口座からお金(100万円まで)を下ろすことはできるようになりました
ただ、窓口でお金を下ろす場合、事前予約が必要で時間の制約があるため非常に面倒なことは言うまでもありません
父親が元気なうちに代理人キャッシュカードを作らせておくべきだったと後悔しています
5:老後、どのような生活を希望するのか聞いておく
私の父親は、リハビリテーション病院を退院した後に介護付き老人ホームに入居しました
ただ、外出制限などが厳しく制限された生活にうんざりしたようで入居後1ヶ月で退去することになりました
自立した生活がある程度できるうちは介護付き老人ホームには二度と入りたくないと言っていました
自宅での生活は不安だけど介護付き老人ホームは自由がなくて嫌という人には、介護付き高齢者住宅などの自由度の高い高齢者施設も沢山あります
体が不自由になっても自宅で暮らしたいという人は、自宅のバリアフリー工事なども必要になります。
自宅工事も希望の高齢者施設に入居するのも事前に情報収集や資金も時間も必要になります。
高齢者施設に入居する場合は、高額な施設の場合、自宅を売却する決断が必要になる場合もあるでしょう
これらの様々な準備を親が倒れてから行うのでは遅すぎるのです
6:介護関連の本を一冊は読んでおく
介護は突然にやってくるので(私がそうでした)、親が元気なうちに介護関連の本を一冊読んでおくことをお勧めします
介護の世界の概要を知っておくために最低限の知識は必要だからです
介護が始まるとケアマネージャー、病院の介護福祉士、介護施設職員と話す機会が増えるのですが、最低限の介護の知識がないと彼らの話が理解できない場面に遭遇します
介護保険制度は専門用語も多く複雑で分かりにくいですから、介護初心者は戸惑うことでしょう
私の場合、父親が要介護状態になった後、図書館で介護関係の本を借りたり、大型書店で介護関係の書籍を数冊購入して読んでみました
正直言うと、介護関係の書籍の詳細情報は殆ど役に立ちませんでした
何故なら、介護の書籍に記載されていることは殆どが一般論だからです
介護には学校の勉強と違って正解はありません
各家族の事情や状況のよって介護への向き合い方は当然、千差万別のはずです
それでも、介護関連本を読むことで介護の世界の概要や専門用語をある程度は知ることはできるので簡単な書籍で良いので一冊読んでおくのが良いです
私は介護関連本を数冊購入して読みましたが、一番分かりやすかったのが以下の本です
介護をきっかけに叔父と縁を切った
介護というのは、親族間での面倒なことの押し付け合いなのが実情です
だから、必ず、平時は紳士淑女を装っている親族の本音が垣間見えるのです
要は介護というのは今後付き合っていくに値する親族、付き合うに値せずに切り捨てなければならない親族を選別できる良い機会とも言えますね
私の場合、介護付き老人ホームの入居相談を叔父(父親の弟)にしたときに嫌な経験をしました
介護付き老人ホームは大抵の施設で連帯保証人(身許引受人)を求められます
殆どの場合、親族(大抵は長男か長女)が連帯保証人を引き受けることになると思いますが、これは精神的にも金銭的にも大変な負担です
私は叔父に対して、父親の連帯保証人になるのは負担だから、民間の連帯保証会社に父親の保証人をお願いしようと思うと言いました。
そしたら叔父はあからさまに私の態度に難色を示したのです
長男なんだから多少の負担はあろうとも父親の連帯保証人になるのは当たり前ではないか、と主張してきたのです
この時、この叔父とは縁を切るしかないと思ったのはいうまでもありません
叔父は、暗に、父親の為(父親側のイエの為)、私に犠牲になってくれと言っているようなものです
こんな親族とは自分を守るためにも縁を切るしか選択肢はないのです
場合によっては兄弟や両親とも縁を切らなければいけない状況にもなるでしょう
それが介護なのですね
日本では親族と法的に縁を切ることはできないのですが、連絡を一切取らないようにしたら実質的に絶縁状態になります
私は、叔父からの電話の着信拒否設定をしました。私が死ぬまで叔父と会うことはもうないでしょう。
まとめ
親の介護は唐突にやってきます。
親が高齢の人は両親が元気なうちに介護の準備をしておくことを勧めます。
具体的には
・親の年金額、預貯金額、実家の不動産評価額を調べておくこと
・定期預金は解約させること
・通帳と届出印鑑を紐づけておくこと
・両親の銀行口座の代理人キャッシュカードを作っておくこと
・介護が必要になった時の希望(高齢者施設に入居するのか、在宅介護を希望するのか等)を日頃から聞いておくこと
・介護に関する簡単な書籍を一冊購入して読んでおく(分厚い難しい本は挫折するので薄くて簡単な本でも十分です)
また、いざ、親の介護が必要になったら、分からないことはケアマネージャーや介護施設紹介サービス業者(無料相談してくれるところが多い)に徹底的に質問して利用しましょう。
安易に有料サービス(介護コンサルタント業者)を利用しないようにしましょう。
高額な業者が多く、値段に見合わないお粗末なサービスを提供している業者もあるからです
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