【書評】尾添椿(そんな親、捨てていいよ):毒親の捨て方を学べる漫画

介護

最近は、毒親という言葉がだいぶ市民権を得てきているなと思ってます

毒親の定義は人それぞれかも知れませんが、私的には”子供を支配しようとする、子供に何かを強制しようとする”親は全て毒親だと考えています

例えばですが、子供に帰省を強要する親なども立派な毒親でしょうね

私自身、毒親に育てられたので(父親)、毒親との距離の取り方、上手い付き合い方には苦労しています

毒親との関係に悩む人全てに読んで欲しい本に最近出会ったので紹介したいと思います

尾添椿(そんな親、捨てていいよ);毒親を上手に捨てる方法をマスター

この本(漫画です)は様々な毒親サバイバーが紹介されています

親の捨て方は人それぞれだということがこの漫画を読むとよく分かります

色んな事例が紹介されているので、毒親との付き合いに悩む人は必ず参考になるでしょう

毒親の定義に悩む人も多いかも知れませんが、私的には、”何か違和感を感じる親”は全て毒親と思って良いと思います

人間の感、第六感は侮れないと思います

生物として生きていくために、人間には危険予知能力があるのだと思います

この世で一番恐ろしいのは自然災害でも野生動物でも幽霊でもなく常識のないクソな人間です

何か違和感を感じる人間は親だろうが他人だろうが距離を取るべき人間です

貴方の”危険予知センサー”に引っかかる人間とは付き合うべきでは無いでしょう

 

それではこの漫画の中に出てくる気になったフレーズを少しだけ紹介します

 

毒親の面倒を見る義務は子供にはない

このフレーズには本当に同意しかありませんね

私的には”毒親”ではなく普通の親でも子供が面倒を見る義務はないと思ってます

もうすぐ夏休みがはじまり帰省のシーズンですが、実家への帰省など、子供が自発的に帰省したければすれば良いだけの話で子供に帰省する義務などありません

子供は親のことなんか気にせずに夏休みは好き勝手に過ごせば良い

これが圧倒的な人生の真実なのです

それなのに、帰省のシーズン(お盆や正月)になるとNHKをはじめとしたテレビでは帰省客でごった返している東京駅などを中継して、【年末年始や夏季休暇の帰省が国民的行事である、国民的義務である】のような思想を国民に植え付けているように感じます

テレビというのは為政者にとって格好の国民洗脳装置です

テレビを通じて、NHKのようなメディアが【帰省は子供の義務である】のようなメッセージを流すのは、そのほうが為政者にとって都合が良いからです

その根底には、【子供は親孝行すべきだ、親の面倒を見るべきだ】と、為政者が国民を洗脳したい思惑はあるのでしょう

繰り返しになりますが、子供に親孝行する、親の面倒をみる義務などありません

それは国家や自治体にとって都合良い思想に過ぎません

日本では親の介護による介護離職が常識になっていますがこれもとんでもない話で、多くの国民が【子供が親の面倒を見るべきである】という思想に”洗脳”されているに過ぎません

実際、欧米では介護離職する人なんか殆どいません

欧米では、人間として親も子供も自立して生活するべきである、という考えが根底にあるのでしょう

その為か、欧米は自立して生きていけるようにセーフティーネットが充実しています

日本は、欧米とは正反対で、家族で助け合うべきであるという思想が根付いています

その為か、日本のセーフティーネットは欧米に比べて非常に貧弱です

役場で生活保護申請しても認められず餓死する人が後を立たないのが日本のセーフティネットの現状なのです

日本の”家族で助けあうべき”という思想は国家や自治体の怠慢を生んでいるともいえます

国家や自治体が行うべきセーフティネットの拡充を放棄しているのが現在の日本です

言い換えると、国家や自治体がセーフティネット拡充という面倒な仕事をしたくないから、”困った時は家族で助け合うべき”という歪んだ思想を国民に植え付けようとしている、ともいえますね

自然界の動物は、親の面倒など見ないのが普通です

誤解してほしく無いのですが、私は親孝行や親の面倒を見る事を否定しているわけではありません

子供が自発的に行う親孝行は大変素晴らしいことだと思います

親に強制されて行う親孝行(帰省や介護など)はクソでゴミであると強調したいだけなのです

そんなクソ親、毒親は躊躇わずに物理的にも精神的にも捨てましょう

そうしないと不幸になります

子供は自分の幸せを追及するべきであり、親の犠牲になることは全くない

子供は親の犠牲になることは当然であると思っている親は間違いなく毒親なので子供としては捨てるしか選択肢は無いのです

 

毒親(父親)の葬式をばっくれる息子の実話

この事例はこの漫画で詳細に書かれているので興味ある方は購入して読んでみてください

私も毒親(父親)の葬式をバックれたい張本人なので大変参考になる内容でした

”親の面倒を見るのは子供の義務である”と洗脳されている人にとっては、親の葬儀をばっくれるなどとんでもない、と思うかもしれませんが、葬儀を子供が行う義務など無いのです

引き取り手のない遺体は、自治体が処理する制度になっています

自治体や警察も親族に遺体引き取りを強制することはできません

この事例でのキーワードは”相続放棄”です

相続放棄というと難しそうだ、大変そうだと感じる人も少なく無いと思いますが、自分でも出来るし、面倒に感じれば弁護士に相談すれば弁護士が主体的に行ってくれます

要は逃げ道は幾らでもあるのです

毒親はプライドが高く世間体を気にする

これもよく分かります

私の毒親(父親)がまさしくそうだからです

この本には世間体だけ良い毒親の事例がいくつか紹介されています

毒親であるほど、自分の家庭は問題がない、と近所や親戚に思わせたいんでしょうね

だからこそ家庭内の子供虐待やDVは表に現れにくく状況が深刻化しやすいのです

 

毒親との付き合いに悩んでいる人は、一方的に関係を断てば良いのです

具体的には携帯電話番号、メールアドレスを変えて、引越し先を連絡しなければ親から消息を絶つことは可能です

多くの毒親はプライドが高く極端に世間体を気にするので、子供に捨てられたことに気が付いても他人には知られたくないのです

だから近所の人や親戚や知り合いにも決して子供に捨てられた事を漏らさないでしょう

子供に捨てられた毒親は誰にも相談せず自滅する可能性が極めて高いと思います

残念ですが、法律的には日本では、親と絶縁することはできません

だから不幸にも毒親の元に生まれた子供は物理的に精神的に毒親と縁を切るしかないのです

毒親と接するだけでも精神を病むので先ずは毒親から物理的に距離を取ることが大変有効です

自分の幸せだけを考えて人生を生きる

これも当たり前のことなんですが、”子供が親の面倒を見ることが当たり前”という歪んだ価値観が跋扈する日本では、自分の幸せだけを考えて人生を生きるのは結構難しい

毒親は”子供が親の面倒を見ることが当たり前”という価値観を押し付けてくる可能性が極めて高いので、まずはこんなクソな価値観から解放されることが大事です

簡単にいえば、他人の犠牲になって生きることは美徳でもなんでもないのです

それは只の奴隷の人生です

中世の農奴や黒人奴隷と全く変わることがないクソ人生です

貴方はそんな他人の犠牲になって生きるクソ人生を生きたいですか?

未成年のDV(兄弟間のDV)は早めに相談機関に相談すること

この本では親からの虐待だけなく兄弟からの虐待の事例も紹介されています

私は一人っ子なのですが、兄弟姉妹がいる人は子供の頃は、兄弟姉妹間の喧嘩がよく起こるのが普通でしょう

兄弟姉妹間の喧嘩は悪いことではなく、これを通じて他の人間との関わり方を学び社会性を身につけていくことができます

ただ、喧嘩ではなく一方的な暴言や暴力は虐待や虐めなので、親としては注意する必要があります

対等な喧嘩は健全ですが、一方的な暴力は子供の世界だろうが大人の世界だろうが虐待であり異常なのです

このことが分かっていない親が多いのでしょうね

だから兄弟間の虐待は深刻化しやすいと思います

今はスマホやPCで未成年のDV問題などの対処方法の情報が幾らでも手に入る時代です

問題を深刻化させないためにも、自分や家族間だけで問題を抱え込まずに第三者に助けを求めることが非常に大事なのです

精神的な障害による障害年金の申請方法

毒親に育てられてまともな大人に育つことはまず無理です

大人になっても精神障害を抱え込むのが当たり前でしょう

だから毒親家庭に育った多くの人は、経済的に自立して親から独立して生活することが難しくなるのです

毒親に育てられる→精神障害を抱えて大人になる→成人しても経済的に自立できない→実家から出られない→毒親と住み続けて更に精神障害が悪化する、という負のループに陥ってしまいます

日本というのは大変におかしな国で、様々な弱者救済制度があるにも関わらず、国民に周知されていませんし、制度を知っていても面倒な申請をしなければならず、セーフティネットがゼロの国といっても過言ではないでしょう

毒親から虐待を受けて精神障害を負った人には障害年金が支給される制度があります

また、精神科にかかる医療費を抑えられる制度(自立支援医療制度)や、扶養照会なしでも生活保護制度を利用する方法もあります

日本という国では情報弱者はこれらの支援にたどり着けません

詳しくはこの本をご覧ください

親だから、子供だから、家族だから、の前に、一人の人間なんだから、と思うこと!

この言葉にも同意しかありませんね

日本はおかしな国で、家族内の問題は家族内で解決しろ!という謎の呪縛があります

子供の不祥事は全て親の責任!、老親の面倒を見るのは子供の義務である!、というクソな価値観がまかり通っています

日本という国は個人よりも組織を重んじるからこういうクソな価値観がまかり通るのでしょうね

家族とはいえ、子供も親も別の人格であり、一人の独立した人間である、という当たり前の価値観が日本には希薄です

子供の躾をするのは親の義務ではあるけど、躾をしたからといってマトモに子供が育つとは限らない

子供がマトモに育たないからといって全て親の責任にするのは絶対に間違っていると思う

また、老親の面倒を見るのは子供の義務である!という価値観も本当にクソだと思う

全ての家庭にはそれぞれの事情があり、親の面倒なんか見る余裕がない子供も沢山いるのだ

勿論、親の面倒を見ることがストレスにならない人は親の面倒を見るのは悪くないとは思うけど親の面倒を見ることは義務でもなんでもない

二十歳を過ぎたら原則、子供は親から独立して、親も子供離れをすべきだと心底思う

過去とは決別して現時点での幸福を追及した方が良い。要するに親は捨てていいし、その記憶も捨てた方がいい。

精神科医の和田先生の言葉です

毒親サバイバーに関する和田先生の投稿がこの本の巻末に書かれているのでぜひ読んでほしいです

この言葉も只々同意しかありませんね

この言葉は圧倒的な人生ではあるけど、綺麗事と嘘で塗り固められた日本のメディア(特にテレビ)は口が裂けても言わないでしょうね

日本人はテレビが大好きですが、それは非常に危険なことです

テレビというのは為政者が国民を都合よく洗脳する装置であることを理解しないといけません

多くの国民はそのことにすら気がついていません

テレビからは極力距離を置いて、必要な情報は自ら取得する姿勢が求められると思います

テレビというのは究極の受動的な情報取得装置です

国民にとって価値のある情報を流すものではないことを認識する必要があると思います

最後に  〜迷惑な家族は躊躇なく捨てましょう〜

この本は毒親、毒兄弟など毒家族と縁を切った人たちの多くの体験談が寄せられた本です

毒家族に悩む人には大変参考になる情報が多いと思います

私も毒親(父親)がいる身なので大変に参考になりました

それぞれの家族にはそれぞれの複雑な事情があるので、この本に載っている事例をそのまま真似ることは難しいでしょう

ただ、有益な情報が多く得られることは間違いないので、ぜひ購入してみることをお勧めします

情報の価値に対してこの本の1100円の価格はタダみたいなものです(笑)

この本を読んだら多くの人は、”毒家族は捨てないと人生が破滅する”、と認識すると思います