10年前、会社をクビになり、転職活動もうまくいっていなかった私は焦っていた
何か資格でも取得して自分の履歴書に箔を付けた方が良いのではないか?と考え始めていた
何故なら、当時の私は100社以上応募しても面接にすら辿り着けない転職難民だったからだ
当時の私のように資格取得やTOEICハイスコアを目指して勉強している人も多いと思うがちょっと待って欲しい
その勉強は自己満足になっていないか自問自答する必要があると思う
貴重な時間や労力やカネを無駄遣いしないためにも資格取得の勉強には慎重になるべきだ
私の当時の経験を振り返ってみたい
資格の勉強は自己満足に陥りやすい
業務経験のない分野の資格の取得は全くの無駄だ。無駄というのが言い過ぎとすればそれは只の趣味に過ぎない
これが身も蓋もない事実(結論)だ
企業の人事は業務経験やその成果だけで採用するか否かを決めるはずだ
資格など付随的なものに過ぎないのだ
じゃあ、何故、多くの人が資格の勉強に夢中になるのか?
私は不安を埋めるために資格勉強をしている人が多いのだと思う
そこには資格を取れば履歴書に箔がついて書類選考に通りやすくなるかもしれないという考えがあるはずだ
10年前、上場企業をリストラされ無職になり、多くの会社に応募しても書類選考で門前払いされて面接にすら辿り着けなかった私は、資格の勉強を始めないと神経がおかしくなりそうだった
資格の勉強をしていれば自分の転職市場での価値が上がるような錯覚に陥り、心を何とか平静に保つことができた
私もそういう事情で資格の勉強を始めたのだが、それは只の自己満足であることを後々嫌と言うほど知る事になる
資格を取ったものの、転職には全く役に立たないと知った
私は転職活動をしながら、TOEICと環境計量士(濃度関係)の資格取得の勉強を開始した。
TOEICは文系、理系にかかわらずお馴染みの資格だ
ハイスコアであれば就職に有利になると皆が思い込んでいる
まあ、新卒ならばTOEICハイスコアは売りになると思うが、中途採用でTOEICハイスコアが売りになることは極めて稀だろう
私はこの残酷な真実を某転職エージェントから聞かされた
その転職エージェントから外資系企業を紹介されたのだ
私の業務経験が役に立つ求人だったが、外資系企業なので当然、業務は全て英語で行う
私は英語を使って仕事をした経験はなかったので、TOEICハイスコアを目指して勉強をした方が良いか、その転職エージェントに尋ねてみた
すると、その転職エージェントはこう答えた
”英語での業務経験がないのにTOEICハイスコアを保有していても採用する企業は全く興味を持ってくれません。採用企業の関心事は実務でどれくらい英語を使えるか?なのです。”
外資系企業や日本企業の国際部などで英語を日常的に業務に使った経験がなければTOEICハイスコアなどお飾りでしかないわけです。
この転職エージェントの話を聞いて私はTOEICの勉強を完全にやめた
色々とTOEICの対策本を購入したのだが、それらは全てメルカリで売却した
それからは環境計量士(濃度関係)の資格勉強に集中した
環境計量士という資格は一般の人には馴染みのない資格だろう
ただ、我々、化学系技術者の間では危険物取扱者や公害防止管理者などと並んで結構メジャーな資格なのです
空気中の有害物質(ダイオキシンなど)や水質の検査をする技術者が環境計量士だ
合格率は10%程度なので化学系の資格の中ではかなり難しい資格に入る
実際、試験問題も結構難しい。大学レベルの化学の知識が必要だし、環境関係の法規も試験範囲になるから勉強する範囲は膨大だ
付け焼き刃の勉強では到底合格はおぼつかない
私は試験の一年前から環境計量士試験の過去問題集や参考書を数冊買い込んで、暇な時間を見つけては図書館で勉強した
週末は完全に図書館にこもって一日中勉強した
その甲斐あってなんとか合格することができた
問題はその後だった
環境計量士の資格を取得したあと、化学分析関係の求人を色々探し始めた
化学分析関係の求人企業の殆どは環境計量士資格を持つ人は待遇面で優遇すると、求人欄に記載している
ただ、化学分析の実務経験のない人は応募すらできない求人が殆どなのだ
化学分析の実務経験がベースにあってこそ環境計量士という資格が生きるのだ
この当たり前のことを私は全く分かっていなかった
私は大学卒業以来、材料研究開発畑でずっと業務を行なってきたので化学分析の実務経験はゼロだった
それでも環境計量士という難関資格を保有していれば、化学分析関係の企業にも挑戦できるのではないか?と甘い考えを持っていたのだ
当たり前なのですが、業務経験が無いのに応募できるまともな求人などあるわけがないんですよ
転職サイトを見ると未経験歓迎の求人を目にすることも少なくないですが、間違いなくブラック求人だと思いますよ
まとめ
就職活動がままならない時は、私のように資格さえ取れば活路が開けるのではないか?と安易に考えがちです
資格の取得の勉強はほぼ徒労に終わるでしょう
採用企業側は転職者には即戦力を期待しているのですから、応募者の保有資格なんかに興味を持ってくれません。業務経験がなければ話にならないのです。
何度も書きますが、資格は業務経験に付随するおまけみたいなものです
就職活動がままならない時はじっくりと書類選考が通るまで待つしかないですね
就職というのはご縁なのでこちらがいくら頑張って探しても見つからない時は全く見つかりません
そのような時は一旦就職活動を休んで、海外旅行などをすれば良いと思いますね
もちろん資金があればですけどね。良い気分転換にもなりますし。
勉強するとしたら資格取得の勉強ではなく、経験のある業務分野の勉強を深める事は良いと思います。
後は自分なりに副業を模索するのもいいでしょう
Youtubeやブログは殆ど資金もかからないのでノーリスクで始められますから手をつけてみる価値はあると思います
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